伊藤若冲展をみる

相国寺の承天閣美術館で伊藤若冲展を見てきた。
同志社寒梅館を左手に見ながら、フルーツ屋の角を右に曲がり相国寺の境内に入る。相国寺の中にこんな立派な美術館があるなんて今まで知らなかった。

http://www.shokoku-ji.or.jp/jotenkaku/index.html

美術館入り口付近の自転車置き場にマイチャリを置き、テントで作られた長い回廊を200メートルほどあるくと、やっとのことでエントランスにたどり着く。予想に反してかなりモダンなファサードとサインはサイバー仕様で格好いい。ネット等で初めて若冲を知った若い客層に訴求するためか。。。日本画の展覧会(しかもお寺の境内!)にしては先鋭的な試みだ。

そのしつらえをレセプションの女性に写真撮影の許可を得てぱしゃり。「館内ではご遠慮ください」と笑顔で忠告された。。。。。撮るわけないやン

会場内は大きく分けて2部構成になっている。第一部のメイン展示物は鹿苑寺大書院の障壁画他。墨だけで描かれたモノクロームな花鳥風月は、若冲の特徴でもある漆黒の真墨をアクセントとするアクの強いタッチで描かれ、かつ障壁画故に余白を潤沢に取ることで、若冲が描く省略化され磨き込まれたモティーフの輪郭が強烈に際だっている大型作品だ。

松などの枝振りに挟まれた一見して余白の空間が、枝の輪郭から一分ほど隙間を残し、実は薄墨でうっすら塗られていたり、作家が構図上の濃淡バランスを調整しているのに気がつく。
こんなホンモノを見ることでしか得られない、作家の筆跡の発見もまた展覧会の楽しみのひとつ。

第2部の展示は、大きな展示室一部屋を囲むように着色画の軸が30幅ばかり隙間無く展示されている。正面にはこの展覧会の呼び物である釈迦三尊像があり、手を合わす拝観者も。(お寺での展覧会なので。これを含むすべての軸が同じ表装金襴で表具しなおされている!)この部屋すべての極彩色の絵画を一人の作家が描いたと考えただけでも鳥肌がたってくる。

とくに有名な「群鶏図」にはたくさんの人が群がっていた。この姿を一歩引いて見ればまさに「群人図」である。この絵、いままでに何度も画集でみてきたけれど、今回実物と初対面した。まずはあたりまえだけど実物の色の鮮やかさに感動する。そして絵が持つ情報量の多さに脳がオーバーフローを起こし視線が定まらなくなる。いったいどこを見ろって言うんだ、若冲さん!細密な絵だけにその仕事ぶりを確認しようと”アップ”で見たくなるのが人情だが、ひょっとしてこの絵は”ルーズ”で見る絵なのかもしれない。(ただしルーズで見るのは人の目に限る)

とにかくこの展覧会は来月まであるらしいので、仕事の合間にもう一度(二度三度)行ってみようと思う。