2010年10月

上賀茂神社の笠懸神事

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2010年10月17日(日)

朝からとてもいい天気。

久しぶりに仕事・行事とも無く完全フリーとなった。

陽気に誘われ散歩がてら自転車に乗り

上賀茂神社で行われる「笠懸(かさがけ)神事」を見学しに行く事にした。

そう、上賀茂神社といえばちょうど一年前の10月、権禰宜の松村さんと

京大でのパネルディッスカッションでご一緒させていただいたご縁もある。


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<雅な装束は必見である。かっこいい!>


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<幅2メートルほどの狭いラチの中を駆け抜ける騎馬>


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<目の前でドドッ!と蹄が地を蹴り、ビシッ!と放たれる弓の音>


「笠懸」とは、全力で疾走する馬上から弓で的を射る行事のことで、

見た目はほとんど「流鏑馬(やぶさめ)」と同じだが、

その起源や執り行う意味合いが少し違うようだ。

「笠懸」は文字が表している通り笠を標的に見立て竿に懸け

弓矢の腕比べを行った事が事の起こりのようである。

「流鏑馬」では射手は笠をかぶっているが

「笠懸」では笠を的に用いている為、

烏帽子のままという見た目の判別点があるのだとか。なるほど。

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<こちらは板の的を見事に射抜く瞬間。観客からの歓声が上がる。>



今に伝わる「笠懸」はその語源になった笠ではなく約50センチ四方の板、

あるいは直径25センチ程度の素焼きの円盤を標的として使用する。

これら標的は鏑矢があたった瞬間に見事に砕け散る。

それにしても激しく上下動し走る馬上から

よくもあれほど小さい的に命中させられるものである。


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<女性騎手もしなやかに馬を乗りこなす。>


今回「笠懸」を奉納されたのは、大日本弓馬会 武田流弓馬道の方々。

陣幕にも武田菱が染められていた。

武田騎馬隊の流れを汲んでいるのだろうか。

実はここ最近、日本の武道に心惹かれてしかたがない。

40の手習いで何か始めて見ようとも真剣に考えてもいる。

秋晴れの10月17日、

この「笠懸」を見学しその想いが増々強くなったことは言うまでもない。



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<もう一種の的(割れると花吹雪が散る)と役員の方。様になるなぁ>






KYOTO CMEX 2010

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<開場直後の会場。開演直前にはほとんど満員となる>



KYOTO CMEX 2010 が始まった。

意外だけど京都って、ゲームやアニメーションなどサブカルな産業も盛んな街。

その京都からコンテンツビジネスを盛り上げようというのがこの催しだ。

詳しくはこちら。http://www.kyoto-cmex.jp/index.html


このイベントの皮切りとして、

第一回コンテンツビジネスセミナーが本日行われた。会場はほぼ満席。

そしてどういう訳か、その司会役を私が務めさせていただいたのだが、、、


講師は、人気TVアニメ「涼宮ハルヒ」シリーズや、

現在大ヒット中の「けいおん!」シリーズを制作されてる

京都アニメーションの八田社長。

京都という中央から離れた土地でアニメ制作会社を創業され、

今では業界屈指の名門スタジオに育て上げれた手腕の一端を

直接うかがう事ができた。


八田社長の講演の中で、

特に私が気になったキーワードはやはり「デジタル+京都」。

現在、アニメ制作で必要不可欠なのがその行程のデジタル化だ。

これはなにもアニメ業界に限った話ではない。

デジタルだからこそ、京都ー東京での情報伝達も容易になり、

プロフィットした複雑なやり取りさえも十分にこなす事ができる。

東京の発注側にせよ、京都の制作側にせよ、営業や企画に携わるスタッフの

数名がのぞみを使い京都ー東京間を互いに往復すれば良い。

職人的要素が強い制作スタッフまでこぞって東京に移住する必要はないのだ。



京都は京都の"モノづくり"で中央を圧倒すればよい。

「デジタル」化により、これが可能になった。



この「デジタル」の効能は、私のCG友禅でも同様である。

私の仕事を引き合いに出して恐縮だがNYで行った仕事にしても、

京都・西陣の工房に居ながらにしてのクリエイティブだった。


しかしクリエイティブのデジタル化で業務効率が上がったとはいえ、

クライアント側からすると離れた土地にあるスタジオに

急ぎ仕事や細かな仕事は発注しない。


経営者感覚からすると、

これで失注してるのでは無いのかと不安にもなりがちだが、

京都のゲームソフトメーカー、株式会社トーセ斉藤社長も

むしろこれが好都合だとおっしゃる。


そこいらのプロダクションには無い、

飛び抜けたモノ作り力を持っている事が大前提だが、

比較的大きなプロジェクトにじっくり腰を据えて

取り組む事ができるようになる。


驚いたのは京都アニメーションは

クリエイティブ部門でも徹夜など殆どありえないらしく、

基本的に定時に終業するということ。

またプロジェクトとプロジェクトの端境期は、手が止まる時期もあり、

しかし、それをサボリとは見なさず充電時間と解釈しようという社風作りなど

会社に所属するクリエーターにとては本当に理想的なモノ作り環境ではないか。

これはスゴい。



さて、この講演会でもう一つのトピックスがあった。

それは「けいおん」の山田尚子監督がサプライズゲストで来てくださった事。

てっきり30〜40歳代のベテランの方だと思い込んでいたが、

実際の山田さんは、「けいおん!」の登場人物の様に、

小柄でかわいらしい20歳代の女性。

お話してみると、すぐ彼女のモノ作りへの姿勢やポリシーを感じられた。

やはりやるべき人がやられた仕事なんだと。


若い才能が大きな仕事を任され、

それを達成しまた伸びてゆく環境作りも八田社長の手腕なのである。




今回、司会者という立場で臨んだ

京都アニメーション八田社長の講演会であったが、

私も属する京都在住のクリエイティブ分野で輝く一つの成功事例として、

とても勉強になる講演会であった。




参考:<京都新聞記事>
http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20100930000207